秋、島々から徳本峠・霞沢岳・上高地へ
2014年10月17日(金)~18日(日)



昭和の初めに釜トンネルが開通し、上高地へのバス路線が開通する前までは、上高地へ入るには島々谷を歩いて徳本峠を越えて行ったというその道を歩いてきました。徳本峠まで16キロ、あまりに長くて余裕はなかったのですが、峠に立ち穂高岳を目の当たりにした先人たちに思いを馳せながら・・・ウインク


<1日目>
徳本峠バス停松本から上高地に向かって走り、徳本峠バス停横の道を島々谷川沿いに入っていくとゲートがあります。ゲートを開けさらに車を走らせると無料の駐車場がありました。ここに車を停め、そのまま林道を歩き出します。ここから徳本峠までのコースタイムは7時間。歩く人はそれほどいないようですが、橋は新しく、道はとても整備されていました。道のりは長かったですが、傾斜も力水まではキツくなく歩きやすかったですし、常に沢の流れが響き心地よい道でした。


駐車場
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林道を歩き始めると車止めがありました。
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川の流れ

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徳本峠登山口から島々谷川に沿って林道を歩きます。
二股まで1時間30分です。


この辺りの紅葉はまだまだ、やっと色づき始めた木がある程度でした。
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砂防ダムが見えました。
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ゲートは横をすり抜けて・・・
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緑濃い気持ち良い道を歩きます。
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流れはいつも傍らに
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陽ざしたっぷりの林道
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二股手前の折口信夫の歌碑
「をとめ子の心さびしも清き瀬に 身はながされつつ恋ひにけむ」
戦国時代の武将、三木秀綱の妻の非業の死について詠った短歌

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二股手前にかかる橋。実際はここが二股のようです。
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二股 
ここから左手方向に島々谷南沢に入って行きます。
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案内表示 岩魚留小屋まで5.2㎞
岩魚留小屋から徳本峠まで4.5㎞
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岩魚留小屋までコースタイム3時間。
ここから本格的な山道になります。あがりこサワラの案内板が立っています。
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「奇怪な樹形。東北地方の多雪地帯で、雪上で伐採し萌芽幹を薪として繰り返し利用したブナの樹形のことを『あがりこ型樹形』といい、夏の雪がない時期に見ると奇怪な樹形に見えます。ここでは萌芽しにくいサワラが、何らかの理由で幹が切断され横にあった枝が成長したため、ブナと同じような特徴的な樹形となったと考えられています。」

あがりこサワラの木
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木道
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秀綱碑
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南沢の右岸に沿って歩きます。所々にボードウォークがあります。
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行き橋で左岸に渡ります。
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またまたボードウォーク
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ボードウォークを上から見おろしました。
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戻り橋を渡って、右岸に戻ります。
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案内板
この炭焼き釜は昭和21年から28年頃使用されていたもので規模としては大きいものではありませんが、山村の収入源として重要な産業でありました。と書いてあります。

炭焼き釜
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道は島々谷南沢のながれを見下ろすようになりました。
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左側斜面が崩れている所を通ります。右側は島々谷南沢、滑落しないように慎重に!
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登山道を横切る小さな沢を越えて行きます。
滑らないよう、濡れないよう気をつけて。
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二股と岩魚留小屋のちょうど中間地点です。
ベンチがありました。
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↑ onmouse マウスイラスト 写真が替ります
岩魚留小屋まで2.6km


上下に組まれた石垣の道。苔むしていていい感じ。昔の人はよくこれだけ石を積んだものと感心します。
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瀬戸下橋(熊?)
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瀬戸下橋で左岸に渡ります。
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沢を左に見て、新しい木道を歩きます。
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木の階段が現れました。道は鉤の手に曲がり、左上に橋が見えます。
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きつい傾斜を少し登ると瀬戸上橋、下から見えた橋を渡り右岸に戻ります。
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道は沢に沿い、すぐ横を流れる音が響きます。
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↑ onmouse マウスイラスト写真が替わります。
整備されて歩きやすいボードウォークが続きます。


ワサビ沢にかかる橋
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続いたもう一つの橋を渡ります。
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あっ!小屋が見えました。岩魚留小屋にやっと着きました。
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昔にタイムスリップしたかのようです。とてもいい場所です。
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先客がいました。男性二人、今日は徳本峠までだそうです。行き橋で徳本峠から下ってきたグループとすれ違いましたが、徳本峠へ向かう人は初めて。なんかホッしました。ここでお昼ごはん。コーヒーがおいしい。カツラの木を見てゆっくり過ごしたかったけれど、徳本峠小屋の管理人さんに「16時までにはいってください」と言われたのが頭に引っかかって、先を急がなくちゃウインク


「岩魚留(いわなどめ)」地名の由来
この辺りから急流に変わり、滝も多くなり、イワナも足止めされることから、こんな地名がうまれたそうです。

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岩魚留小屋横のカツラの大木


岩魚留沢橋 左に見えるのが岩魚留ノ滝?
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中ノ沢
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岩魚留小屋をすぎると木々が色づいてきました。
陽の光を受け葉が透き通ってきれいです。写真

小さな沢にかかった朽ちかけた橋。流れがないので橋の下を歩きます。
色づいた葉がきらきら輝いています。
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丸太橋の手前で岩魚留小屋で出会った二人の男性が引き返してきました。「足の具合がよくなくて・・・。」「ここまで来たのに戻るっていっても大変でしょう!」「ここからは急な登りだから、足が痛くて登り切れるかどうか?でも、戻る分には距離があっても道は分かっているし、ゆっくり戻れば大丈夫です。小屋に着いたら、島々に二人戻ったことを伝えてください」と頼まれ、「しっかり伝えます。お気をつけて!」と別れました。


三本の丸太をくくっただけの橋です。滑りそう。
水面からはちょっと高さが!及び腰で丸太橋を渡ります。
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こんな倒木にステップを切っただけの橋を渡ります。
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岩魚留小屋から1.7km
徳本峠までは2.8kmの標識
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落ち葉降り積む道。
この辺りから徐々にきつい登りとなります。
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通り過ぎてしまったのか?と不安になるほど力水には到達しません。
いやいやこんな高さまで登ってきました。
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やっと力水に到着しました。
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ここまでくればあと1時間。急登になりますが、ゆっくり、ゆっくり登ります。
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尾根が見えてきました。
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写真徳本峠小屋に到着。やったー
長かったです。
小屋は2010年に改築されていてきれいでした。
今日の宿泊者は12人でゆったり泊まることができました。皆さん、山を歩き慣れたかたばかり。若かりし頃のワンゲル仲間といらした方も。
食後はこの小屋を取材したNHK「小さな旅」の録画を2本見せてもらいました。管理人さんが今は小屋が新しくなり電気のあかりですが、なつかしがるお客様もいらっしゃいますとランプを灯してくれました。ほのぼのとした明かりで和みました。

17年前の放送を見て、岩魚留小屋のご主人が急逝し、その後息子さんが東京から戻り跡を継ぎ小屋を続けていたことを知りました。3年前の放送では霞沢岳のK1からのすばらしい穂高岳の景色を写していて、明日の霞沢岳登山にいっそう胸が膨らみました。


小屋の前から見た前穂高岳
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