和賀岳(1439m)

山頂に咲くニッコウキスゲを見に薬師岳登山口から往復
2021年7月17日(土)

岩手と秋田の県境にある和賀岳に出かけました。薬師平と山頂のニッコウキスゲの大群落が見事だそうです。標高が低い薬師平のニッコウキスゲはすでに終盤、山頂のニッコウキスゲは13日から15日に満開とのネット情報を得て、予定を1週間早めての山行となりました。秋田県側の薬師岳登山口から往復します。前日泊った奥羽山荘の話では、倉方を過ぎるとずっと稜線だから、この暑さもあって、水は3ℓ必要とのこと。ほんとうかな?と思いながらも、以前登った朳差岳で水がギリギリだったのを思い出して、しっかり準備しました  

コースタイム 8時間 行動時間 11時間35分
 標高差 1084m 距離 15.6キロ
7/16(金)晴れ 標高
古川IC 10:28 -
小安峡大墳湯 11:50 -
奥羽山荘 15:10 -
7/17(土)晴れ 標高
奥羽山荘 - 5:00
小路又キャンプ場P - 5:50 355m
避難小屋 6:00 6:10 370m
甘露水登山口 - 6:20
ブナ台 6:50 -
滝倉(水場) 7:15 - 760m
倉方 8:00 8:05
薬師岳 8:50 8:55 1218m
薬師平 9:10 -
小杉山 9:50 10:00 1229m
小鷲倉 10:30 -
和賀岳山頂 11:15 12:15 1439m
小鷲倉 13:00 -
小杉山 13:30 - 1229m
薬師平 14:00 14:20
薬師岳 14:40 - 1218m
倉方 15:15 15:20
滝倉 15:55 16:05 760m
ブナ台 16:30 -
甘露水登山口 16:50 -
避難小屋 17:05 - 370m
小路又キャンプ場P 17:15 - 355m
登山道概略図


小路又キャンプ場駐車場
イベントに集う人々

朝5時に奥羽山荘を出発。ダートな林道を走っていくと数台車が連なり、前を走る車は大仙市の車でした。何かあるのかな?駐車場に着いて、朝食のおにぎりを食べ終え支度を整えていると「お名前は?」と聞かれ???。「何かあるのですか」と逆に尋ねたら、ニッコウキスゲ観賞薬師岳登山のイベントの日なんだそうです。なるほど、それで同じ時間に次々と車が到着したわけですね。イベントの人たちと一緒にならないよう出発します。


5:50 避難小屋がある薬師岳登山口に向かい歩き出します


進むと林道横に小さなスペースがあって数台が駐車しています
まだ停められそう。ここまで走って来るのでした


10分ほどで薬師岳登山口に到着
避難小屋のトイレは簡易水洗できれい


避難小屋前の駐車場


林道を7、8分歩いて甘露水に到着


水をたっぷり汲んで暑さに備えます


水場の手前にある甘露水口の標識横から登って行きます


歩き始めは杉林


5分ほど杉林を登って行くと大きなブナの木が立つ曲沢分岐に出ました。
たぶん、かつては分岐した道があったのでしょうね

写真
緑一色の林の中に青色のエゾアジサイがとても涼やかです
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稜線に出るまでの登山道でよく見かけました


ブナ台に到着 6:50
倉方まで美しいブナ林が続きます


明るいブナ林を登って行きます


どっしりしたブナ、特徴あるブナの斑点がくっきりと…


途中にサルノコシカケ?が…。50センチくらいあったかな


小さな沢に出ました。渡って少し進むと滝倉(水場)です


滝倉の水場


滝倉の案内標識
ここから倉方までは九十九折りの急登が続きます


豪雪地帯で大きく曲がったブナの木


ここまで2時間ちょっとで倉方に到着 8:00
朝食の残りのお握りを食べてひと休み


変わったブナ。根元がひとつで何本もの幹が出ている


倉方から10分ほど登ると稜線に出ました。三角錐のピークが薬師岳?
稜線に出ると容赦なく太陽が照りつけ、暑いのなんの!


足元にはハクサンシャジンが咲いていました


先に進むとさっき見えた三角錐のピークの隣に丸い山が見えてきました。
あの丸い山が薬師岳ですね。


薬師分岐に着きました


右手に大甲方向の山並みを眺めて、さらに進むと


和賀岳が見えました。
左から小杉山、隣の小さな三角ピークが小鷲倉、中央の山が和賀岳


薬師岳山頂まであとひと登り


薬師岳山頂はこの標識からほんの少し入ったところにありました。


薬師岳山頂に到着 9:50
和賀岳が正面に見えます。まだまだ遠い


薬師岳を少し下った薬師平は一面のお花畑


一面に咲いているのはイブキトラノオ
そよそよと揺れるお花畑の中を歩けて感激!


ロープで囲ってないなんて、なんてすばらしいのでしょう!


薬師平のニッコウキスゲは終盤
山頂のニッコウキスゲはどうかしら?期待が高まります


薬師平に到着 9:10

前後して歩いていた年配のご夫婦が薬師平でひと休みしていて、「以前はここにベンチがあったのだけれど、撤去されちゃった。コロナの影響もあるのかな?」と言っていました。意外と調子よくここまできたので、小杉山まで頑張ろうと歩き出します。
ところが、ここからは刈り払いされてなく、下草が延びていて足元が見えません。段差や石がないか足で探りながら歩くことになりました。


腰まで延びた草をかき分けて


足元を気にしながらも、こののびやかな景色を眺めて進みます
左端のピークが小杉山、右のピークが小鷲倉、和賀岳はその向こう


小杉山へ最後の登りは笹のヤブ漕ぎ


さらに、胸まである木々をかき分けて疲れ果てました


小杉山山頂に到着 9:50

疲労困憊で、ひと休み、したいけれど休むスペースがありません。休みたい。座りたい。ウロウロしても場所が見つかりません。道標の下で休んでいる人たちが少し詰めてくれて、なんとか腰を下ろせました。水、アミノバイタルゼリーを補給。この登山道は道標はしっかりついているけれど、休むスペースがないのに気がつきました。


小杉山から小鷲倉へ向かう途中で振り返って眺めた薬師岳と歩いてきた稜線


小鷲倉が近づいてきました


小鷲倉に到着 10:30


いよいよ和賀岳へ


近づいてきました。かっこいいですね♪ここからは緩やかそう。


山頂目前、山頂で憩う人たちとニッコウキスゲ


和賀岳山頂に到着 11:15


一等三角点

山頂に着くと一面に咲くニッコウキスゲが目に飛び込んできました。疲れはどこへやら、ザックもおろさず花畑へ一目散。まあまあ、ザックを下ろしてとの声で、まずは昼食タイム

<山頂からの展望>

写真
ニッコウキスゲ咲く北斜面
中央奥に秋田駒ケ岳、その手前に羽後朝日岳、岩手山は雲の中
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秋田駒ケ岳をズームアップ


東方向の山並み

写真
秋田駒ケ岳の西側に田沢湖を望む
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田沢湖をズームアップ


白岩岳方向


歩いてきた薬師岳(左)小鷲山(中央)小杉山(右)


南に岩手県側のこけ平と高下コース

山頂までの登山道にはオオバギボウシ、ウラジロヨウラク、オオバツツジ、ハクサンシャクナゲなど咲いていました。景色を眺めたら、花ウォッチング


ハクサンシャクナゲ


オオバツツジ

<山頂に咲いていた花>


ミネウスユキソウ


ハクサンフウロ


ニッコウキスゲ


トウゲブキ


ムカゴトラノオ


ミヤマトウキ


山頂はこんな感じです。広々としています

1時間ほどの休憩を終え、下山開始。辿ってきた長い道のりを戻ります。


長い薬師岳までの稜線
白いセリ科の花が風に揺れている

気持ち良く歩いて行くとブンブンとヘリコプターの音が聞こえてきました。なにかあったのかな?音がずーっと聞こえます。前が開けると目の高さにヘリコプターがホバリングしています


登山道の真上でホバリングしているヘリコプター


見ていたら、救助隊員が2人降りてきました
ピーク手前にいる人のところへ向かっています
ヘリコプターは飛び立って旋回を始めました


なにかあったのでしょう。大けがでないことを祈ります


しばらくするとまたヘリコプターが登山道の真上へやってきて
救助される人と救助隊員1人を吊り上げました。


そして、もう1人残った救助隊員をヘリコプターに吊り上げ飛んでいきました

和賀岳の登山道に危険な所はなかったけれど、他人事ではないと気を引き締めて、再び歩き出します。


小鷲倉に戻ってきました 13:00


次は小杉山へ


太陽が雲に隠れると日差しが和らいでホッと、
白いヨツバヒヨドリ見つけました。


小杉山に到着 13:30


次は薬師岳に向かいます


登りで苦しんだヤブ漕ぎ、ここを越えれば一安心。


薄ピンク色のヨツバヒヨドリ


セリ科の花が咲く風衝草原を登って行きます


薬師平に到着 14:40
ザックを下ろして、ここでひと休み


振り返って見る小杉山とイブキトラノオの花畑


薬師平を抜けて、薬師岳に登れば、あとは下るのみ


青い空、白い雲、風にそよぐイブキトラノオ、ニッコウキスゲ


花ざかりのクガイソウ


逆光で撮ってみたら、いい感じ


ハクサンシャジンは咲きだしたばかりで
まだ、蕾みです


このダイナミックなお花畑。東北の山はいいなあ!


名残惜しいけれど、薬師岳へ


薬師岳に到着 14:40


薬師分岐
大甲をへて薬師登山口に戻る周回コースがあるようですが、
健脚者向きですね。

写真
倉方へ向かいます
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ズームしたら小路又キャンプ場駐車場が見えましたよ
この辺りから登山道は草地でなくなり、小さな石がゴロゴロしてきました


小路又キャンプ場駐車場を見下ろした場所から、
山の向こうに大仙市の町が望めました


倉方に到着 15:15 小休止
ここからは樹林の中を、とりあへず滝倉まで頑張って下ります


滝倉に到着 15:55
水場で顔を洗い、冷たい水を飲んでひと休み
イベントの人たちでしょうか。つぎつぎと若者たちが足早に下ってきます。


ブナ台に到着 16:30


急がない。ゆっくり、ゆっくり。そう、急げないのが本音…。
足を動かしていけば登山口に到着すると言い聞かせて、一歩ずつ、
沢の音が聞こえた時はホッとしました。


甘露水口に到着 16:50


甘露水から林道歩いて


薬師岳登山口
避難小屋に到着 17:05


小路又キャンプ場駐車場 17:15

念願だった和賀岳登山。薬師平から小杉山への刈り払いがされていない登山道に時間と体力がとられましたが、天気にも恵まれ、薬師平のお花畑、山頂のニッコウキスゲ群落、展望ともすばらしかったです。用意した水をほぼ飲みつくして、酷暑の中、熱中症にならずに無事下山できました。秋の紅葉の季節もおすすめだそうです。でも、これだけ時間がかかるようでは無理ですね

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